信州安曇野牛乳 生産者紹介1 内田牧場

酪農と米づくりの兼業農家

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 5ヘクタールの田んぼで稲作を行っているという内田さん一家。昭和37年に乳牛1頭からはじめて、現在37頭を抱える酪農との兼業農家だ。牛のたい肥を米づくりに生かし、お米をとった後の藁(わら)をえさや牛舎の敷き藁(わら)にするなど、無駄なく活用している。いわゆる循環型の農業を確立しているのだ。
 後継者不足が問題になっているなか、若い世代が活躍しているのも安曇野の酪農家の特徴のひとつだが、たずさわって12年目の内田さんは、「子牛を育てて出産させるまでに2年もの月日がかかるけれど、育てる楽しみがあります」と言う。「信州安曇野牛乳は、自分たちの作る生乳の味がしっかりと生かされています。ぜひみなさんに、安曇野のおいしい牛乳を飲んでもらいたい」と、力強く語った。

おいしい生乳の秘密は自家飼料

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内田さんは「牛乳の味は、気温やえさの種類によっても違いますが、最も影響が大きいのは体調です」と言う。体調が悪いと、乳脂肪分などが落ちてきてしまうのだ。
そこで、乳牛が健康に過ごしているかどうか、えさの食べ方を見たり、ふんの質や量をチェックしたり、目と耳に変化が出るので、顔はいつも念入りに観察しているとのこと。「乳牛にとって、お産が最も大変な仕事。お産の前後は、細心の注意をはらってケアしています」。
乳牛のえさは、牧草やとうもろこし。牧草は乾燥させ、とうもろこしはサイロで発酵させて自給飼料を作っている。自給飼料は手間ひまがかかるうえ、大型機械導入などのお金もかかるが、乳牛の健康のためにとても役立っていると言う。
牧草もとうもろこしも、安曇野に流れるきれいな水によってはぐくまれ、肥料には牛のたい肥が使われていることもポイントのひとつ。おいしい牛乳の秘密は、乳牛が毎日おいしく食べているえさにあったのだ。